フィリピンの硬貨 (Philippine coins)
1925年 1 PESO
1925年にクリオン・ハンセン病患者療養所で発行 ●材質(Material):白銅(Cupronickel) ●直径(Diameter):35.2mm ●重量(Weight):13.8g。
左 「CULION LEPER COLONY」「PHILIPPINE ISLANDS」ホセ・リサール(Jose Rizal)。
右 「PHILIPPINE HEALTH SERVICE」「ONE PESO」 白頭鷲とフィリピン公共医療(Philippine
Health Services)のロゴ。
クリオン・ハンセン病患者療養所(culion leper colony)は、パラワン諸島、コロン湾のクリオン島にあります。1898年にアメリカによる統治が始まり、1901年にはアメリカ内閣が誕生します。当時のフィリピンには約5千人以上のハンセン病患者が住んでいたと考えられていました。内務次官のディーン・C・ワーセスターは、ハンセン病患者が自由に社会生活を営むことで、感染を招いていると考えました。アメリカでは、ハンセン病患者を完全に隔離すればハンセン病はフィリピンから消滅すると考えられていました。アメリカでは、1880年代半ばからハワイのモロカイ島カラウパパ療養所へハンセン病患者の収容が始められていました。クリオン島でも、1906年に療養所が完成し収容が始まり、1910年には、クリオンに収容された人の数は5,000人を超えたと言われています。収容された人たちは次第に自分たちで生活を築き上げるようになり、漁業や農業などを始めます。1913年からは療養所内貨幣が発行されました。当初はアルミニウムの貨幣で消毒液による腐食のため、後の、1922年、1925年、1927年および1930年発行のコインは白銅で作られるようになります。