フィリピンの話題 (Topics in the Philippines)
フィリピンの新札
フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)が、1985年以来25年ぶりの新紙幣、新世代の紙幣シリーズ(New Generation Banknote Series)を発表しました。今回の紙幣は木綿80%とアバカ20%で構成されていて、より高い抗菌仕様になっているそうです。2010年12月17日から流通が始まり年末にはほぼ全種類が出回りましたが、その新紙幣にエラーが有ると話題になりました。変更になるのは20、50、100、200、500、1000PISOの6種類で、詳細は以下の通りです。
紙幣のデザイン変更の他に盛り込まれた特徴
- 文字や数字が周囲から盛り上がる「凹版印刷」。
- 紫外線に反応する判別模様。
- 見る確度によって文字や模様が浮かび上がる「潜像模様」。
- 画像や色が変化する「光学的可変デバイス」。
- 肉眼では読み取れない「マイクロ文字」などの偽造対策も強化。
紙幣のエラー
『フィリピン中央銀行は12月、新たに発行される新札を印刷したが、刷られた名所の位置や鳥の色が違うなどミスが多く、批判を浴びている。500ペソの新札にはアキノ大統領の両親の故コラソン・アキノ元大統領と故ベニグノ・アキノ元上院議員の肖像が印刷されている。裏にはフィリピンに生息する珍しい鳥のコオオハナインコモドキが刷られているが、本来は赤いはずのくちばしが黄色になり、黄色であるべき尻尾の羽の裏側が緑色になっている。また、描かれた地図中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産になっているプエルト・プリンセサ地下河川国立公園の位置も間違っているという。さらに、1000ペソ札に描かれている地図では、同じく世界遺産のトゥバタハ岩礁海中公園の位置も約400キロずれており、バタネス諸島が印刷されていないと指摘されている。
中央銀行のスポークスマンは、スペースの狭さと美的感覚のために、すべての島が描かれているわけではなく、位置も完全に正確なものではなくなっていると弁明している。
中銀の失敗は今回だけではなく、2005年には当時のアロヨ大統領の名前の綴りを間違えた札を印刷した。すぐに回収されたものの、「Arroyo」が「Arrovo」と刷られた札は、今では収集家の垂涎の的となっている。』 (マニラAFP=時事より)